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2024.03.29
プラスチックカードの制作手順完全ガイド!よくある質問や気をつけるポイントも解説
会員証や診察券などのプラスチックカードを作成する方法について、なんとなく分かっているけれど、いつどのような準備をすればいいのかについて、曖昧な理解の方も多くいらっしゃるかと思います。
本記事では、プラスチックカードの作成方法について、その手順やよくある質問、作成時に気をつけるポイントなどを網羅的にまとめています。
この記事を読めば、いつ何をすればいいのかが分かり、出戻りなくスムーズにプラスチックカードを作成することができるようになります。
プラスチックカードとは?
プラスチックカードは、診察券や会員証、イベントでの配布など様々なシーンで活用されるカードです。プラスチックカードには、ポリ塩化ビニール(PVC)やポリエチレンテレフタラート(PET)素材などのプラスチック素材から作られており、厚みやサイズ、デザインなどがカスタマイズ可能です。
この種のカードは、会員証、クレドカード、クレジットカード、ルームキー、ギフトカード、イベントパス、VIPカード、診察券、ICカードなど、様々な形で利用されています。また、近年では環境への配慮から、再生可能な素材を使用したり、リサイクルが可能なカードも登場しています。
プラスチックカードのメリットは、その耐久性と多様な加工方法にあります。プラスチックカードは、水や汚れに強く、長期間使用できるため、お客さんや利用者にとって便利なカードだと言えます。また、デザインや印刷の自由度が高いため、企業のブランドイメージを反映させたり、利用者が特別な所有感を感じたりするようにカスタマイズすることもできます。
プラスチックカードの利用シーン
プラスチックカードは、その汎用性と耐久性から、さまざまな利用シーンで活用されています。以下では、主要な利用シーンについて詳細に解説します。
会員証
会員証は、ジム、クラブ、図書館、学校など、さまざまな組織や施設で利用されています。会員証は、会員の身元確認や施設の利用権限の管理に役立っています。プラスチックカードは耐久性が高く、長期間使用することができるため、これらの長期間の利用が想定される場面に向いていると言えます。ICチップを埋め込んだり、バーコードを印刷したりして、埋め込める情報を増やすこともできます。
診察券
医療機関では、患者の診療履歴や健康情報を管理するために診察券が利用されています。診察券には患者の氏名や生年月日、診療科や受診日時などの情報が記載されており、医療スタッフが正確な情報を参照できるようになっています。
クリニックのブランドイメージを構築するために、特殊な加工を用いた特別な券面を作成することも可能なため、プラスチック素材で診察券を作るのは大きなメリットがあるかと思います。
クレジットカード
クレジットカードは、現金の代わりに商品やサービスを購入する際に利用される決済手段です。プラスチックカードは、磁気ストライプやICチップなどの技術を組み込むことができます。不正利用されないようなセキュリティを整備することもできるため、向いている素材だと言えます。
これらの利用シーン以外にも、プラスチックカードはさまざまな用途で活用されています。
プラスチックカードの素材
プラスチックカードの製作手順について理解するためには、まず素材の選択が重要です。プラスチックカードの素材は、耐久性や加工のしやすさなどに大きな違いがあります。ここでは、主要なプラスチックカードの素材であるPVC、PET、そして最近注目されているバイオプラスチックについて詳しく解説します。
PVC
PVCはプラスチックカードを制作するとき、最も選ばれている素材です。その人気の理由は、耐久性、柔軟性、および低コストで作成ができる点にあります。カードの厚みはPETに比べてありますが、低コストで作成でき、尚且つ選択できる加工オプションの数も豊富なため、あらゆるビジネスシーンで活用されています。
PET
PETは薄く携帯しやすい素材であり、PVCと同様にプラスチックカード制作に適した素材です。特に、携帯性が求められる場合や、熱で何度も印字できる加工をしたい場合には、PET素材が選ばれています。
バイオプラスチック
近年、環境への配慮がますます重要視される中で、バイオプラスチックがプラスチックカードの素材として注目されています。バイオプラスチックは植物由来の素材から作られており、通常のプラスチックよりも環境への影響が少ないとされています。
コストは上記の2つよりもかかってきますが、バイオプラスチックで作っているということ自体が、環境に配慮しているという企業メッセージとして社会に対して発信することもできるかと思います。
これらの素材はそれぞれ特性や利点が異なるため、プラスチックカードの用途や要件に応じて適切な素材を選択することが重要です。また、素材の選択はプラスチックカードの品質や耐久性、環境への配慮などに影響を与えるため、慎重に検討する必要があります。
プラスチックカードの主な加工方法
プラスチックカードの製作において、加工方法はカードの外観や機能性に大きな影響を与えます。ここでは、プラスチックカードの主な加工方法について詳しく解説します。
サインパネル加工
サインパネル加工は、プラスチックカードに署名をする部分を作るための加工方法です。クレジットカード裏面の白い署名欄を想像していただければ分かりやすいですが、あのようにカードにボールペンなどで直接書き込めるようにする加工方法のことを指します。
エンボス・デボス加工
エンボス・デボス加工は、プラスチックカードの表面に凹凸をつける加工方法です。エンボス加工は凸部分を作り出し、デボス加工は凹部分を作り出します。これらの加工方法は、カードにテキストやロゴを浮き彫りまたはくぼませることができ、視覚的にカードに特殊なデザインを施すことができます。また、手触りも変わってくるため、VIPカードやゴールドカードなど特別な場面で活用されるカードの場合に、選ばれている加工方法です。
テキスト印字
テキスト印字は、プラスチックカードに文字を印刷する加工方法です。事前に個別の個人情報を収集し、1枚1枚個別のカードを作成できます。社員証やVIPカードなどその人だけのカードを作成したい場合に選択されています。
バーコード・QRコード印刷
バーコードやQRコードは、プラスチックカードに情報をコンパクトに記録するための加工方法です。カードの券面に記載できる情報量は限られているため、ORコードを記載し、参照できる情報量を増やしたり、バーコードをつけてインターネット上で会員情報を管理したりすることができるようになります。
磁気テープ
磁気テープは、プラスチックカードに磁気ストライプを埋め込む加工方法です。磁気ストライプは、クレジットカードやアクセスカードなどで広く使用されており、情報を磁気で記録します。磁気テープを使用することで、カードの利便性が向上し、情報の読み取りが迅速に行えます。
これらの加工方法は、プラスチックカードのデザインや機能性を向上させるために不可欠です。適切な加工方法を選択することで、カードの利便性やデザインを向上させ、利用者にとって満足度の高いカードを作成することができます。
プラスチックカードの制作手順
プラスチックカードの制作は、通常以下のようなプロセスを踏んで行われます。本章では、プラスチックカードの制作手順を詳しく解説します。
①利用シーンの設定・作成目的の確認
まず、プラスチックカードの利用シーンや作成目的を明確にします。カードが使用される環境や目的によって、デザインや加工方法が異なってくる場合があるからです。例えば、会員証やアクセスキーとして使用される場合と、ギフトカードやイベントパスとして使用される場合では、必要な機能やデザインが異なります。
必要のない加工オプションを選択し、無駄な費用を発生させないよう、事前にどのような場面で、どのような目的を達成するために作成するカードなのかを明確化しておきましょう。
②デザインの作成
次に、カードのデザインを作成します。デザインは、ブランドのイメージやカードの利用目的に合わせてカスタマイズされます。ロゴや券面の色、テキスト、イメージなどが含まれるデザインは、カードの視覚的な印象だけでなく、機能性や使いやすさにも影響を与えます。
デザインデータをカード制作会社に持ち込むこともできますが、それが難しい場合は、カード制作会社内のインハウスのデザイナーに依頼して作成することも可能です。
③必要なデータ・素材の準備
デザインが決定したら、必要なデータや素材を準備します。これには、会員番号や個人情報などのデータ、ロゴやイメージのファイル、特殊加工や印刷に必要な素材などが含まれます。プライバシーやセキュリティの観点から、収集したデータは慎重に管理しなければなりません。
④印刷と加工
次に、カードの印刷と加工が行われます。印刷技術や加工方法にはさまざまな種類がありますが、主な方法には、デジタル印刷、オフセット印刷、サインパネル加工、エンボス・デボス加工、テキスト印字、バーコード・QRコード印刷、磁気テープの埋め込みなどがあります。これらの加工は、カードの機能やデザインに応じて選択されます。
⑤仕上げと品質確認
印刷と加工が完了したら、カードの仕上げと品質確認が行われます。品質確認では、印刷の精度や券面の色彩などの印象、データの正確性などを確認しましょう。もし、想定しているものと違ったら、早急に修正し、満足度の高いものを作り直しましょう。
⑥配送と納品
最後に、完成したカードがお客さんに配送され、納品されます。
以上が、プラスチックカードの制作手順の一般的な流れです。いいものを作るために、それぞれのプロセスを妥協せずに進めていくといいかと思います。
よくある質問
ここまで、プラスチックカード作成における基本的な情報や制作手順をまとめてきました。本章では、よく寄せられる質問について回答しています。
質問①:デザインを用意できないがどうすればいいですか?
デザインを用意できない場合でも問題ありません。多くのプラスチックカード制作会社は社内にインハウスデザイナーが在籍しているか、すぐに手配できるフリーランスやデザイン会社が存在します。そのため、デザインが用意できない場合は制作会社に相談して、デザインを依頼しましょう。
質問②:プラスチックカードの制作にはどのくらいの時間がかかりますか?
プラスチックカードの制作にかかる時間は、注文の内容や数量、選択した加工オプションなどによって異なります。例えば、PVCカードなら納品まで13営業日、Petカードなら11営業日程度で納品可能です。デザインの作成や修正、印刷、加工、品質確認、配送など、多くのステップが含まれるため、余裕を持って計画することが重要です。
質問③:プラスチックカードの一般的なサイズはどれくらいですか?
プラスチックカードの一般的なサイズは、お持ちのクレジットカードやIDカードと同じくらいです。標準的なサイズは横幅85.6mm、縦幅54mmです。PVCカードは、厚さ0.5mmや0.76mm、PETカードは、0.25mmです。
質問④:素材ごとの違いを教えてください。
プラスチックカードの素材には主にPVC(ポリ塩化ビニール)やPET(ポリエチレンテレフタレート)、バイオプラスチックなどがあります。PVCは最も一般的で、経年劣化の少ない耐久性のある素材です。PETは薄く携帯性に優れています。また、サインパネル加工を行わずとも、カードの券面に筆記可能な特徴も有しています。
バイオプラスチックは環境へ配慮された素材です。それぞれの素材には特性や利点が異なるため、用途や要件に応じて適切な素材を選択することが重要です。
質問⑤:印刷方法の違いを教えてください。
プラスチックカードの印刷方法には、デジタル印刷、オフセット印刷などがあります。デジタル印刷は、通常作成する版を使用せず、データをそのまま印刷します。そのため、柔軟性が高く、小ロットやカスタマイズされた印刷に適しています。
一方、オフセット印刷はロットが増えれば触れるほど安価に作成できるため、大量生産に適しており、高品質な印刷が可能です。そのほかにも、様々な加工オプションがあります。
詳しくはこのページ(https://cardlab.biz/optionlist/#643)をご確認ください。
プラスチックカード作成のポイント
プラスチックカードの作成は、ビジネスやイベントなどの目的に合わせて慎重に進めていく必要があります。本章では、プラスチックカード作成の際に重要なポイントを解説します。
作成前に、目的と利用シーンを具体化させよう
プラスチックカードを作成する前に、その目的と利用シーンを具体化させることが重要です。カードがどのような目的で使用され、どのような環境で利用されるかを把握することで、適切なデザインや機能を選択することができます。例えば、一般的な会員証の場合は、シンプルなデザインで、利便性を意識すればいいかもしれませんが、VIPカードやクレドカードの場合は、券面の特別感を意識した加工オプションを選択する必要が出てきます。
デザインの著作権に注意しよう
プラスチックカードのデザインを作成する際には、著作権に関する法律や規制に十分に配慮する必要があります。他者の著作物を無断で使用したり、商標やロゴを不適切に利用したりすることは避けなければなりません。
仕上がりを確認しよう
プラスチックカードが完成した後は、仕上がりを十分に確認することが重要です。印刷の精度や色合い、デザインの正確性、文字の読みやすさなど、細部にわたって注意深くチェックすることが必要です。事前に見せられるサンプルや画面でのデモと、実際に出来上がったものは異なる場合も多いので、完成したサンプルを確認し修正ポイントを具体的に伝えましょう。
以上のポイントを踏まえて、プラスチックカードの作成を行うことで、目的に合った高品質なカードを作成することができます。
まとめ
本記事では、プラスチックカード作成に関するあらゆる情報を網羅的にまとめてきました。上記の一般的な制作手順に従って、作成を進めていきましょう。
よくある質問にまとめたもの以外にも、制作途中、様々な疑問や不安点が生じてくると思います。そうなった時は、すぐに制作サイドに伝えることで、出戻りを防ぐことができます。
具体的にこのようなカードを作りたいというイメージが明確でない方も、いらっしゃるかと思います。そのような方は、まずはこのページ(https://cardlab.biz/contact/)のフォームよりご連絡ください。
専門の担当者が丁寧なヒアリングを通して、最も適切なプランをご提示させていただきます。