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2024.03.12

非接触ICカードとは?接触型との違いや対応可能な加工オプションを解説

非接触ICカードとは?接触型との違いや対応可能な加工オプションを解説近年、非接触ICカードの利用が急速に拡大していますが、その仕組みや導入メリットについてご存知でしょうか?

本記事では、非接触ICカードと接触型ICカードの違いや、それぞれの特長について詳しく解説いたします。また、非接触ICカードの加工オプションや搭載するICチップの違いについても触れ、どのようにカード制作を進めていけばいいのかを概観し、その流れについてご理解いただける記事になっています。

まずは、非接触ICカードとは何かを解説していきます。

 

非接触ICカードとは?

非接触ICカードとは?非接触ICカードは、その名の通り、カードリーダーに直接触れることなく情報をやり取りできるカードです。カード内部にICチップを搭載しており、「かざすだけで使える」カードとなっています。

この「かざすだけで使える」という特徴は、利便性だけでなくセキュリティ面でも大きなメリットが存在します。具体的には、カードを直接挿入する必要がないため、スキミングや不正アクセスなどのリスクが低減されるようになります。

現在、非接触ICカードは、さまざまな分野で広く利用されているのは周知の通りかと思います。その代表例が交通系カードです。地下鉄やバス、電車などの公共交通機関での利用が一般的ですが、これ以外にもアクセス管理や会員カード、電子マネーなど、様々な用途に応用されています。

非接触カードの詳しい内容やオプションについてはこのページ(https://cardlab.biz/card/contactless_ic/)に記載されておりますので、ご興味のある方は参照いただけると幸いです。

 

利用シーン

利用シーン前章では、非接触ICカードの基礎知識について確認してきました。ここからは、どのような場面で非接触ICカードが活用されているのかを確認していきましょう。

非接触ICカードは、交通の場面だけでなく、様々なシーンで幅広く活用されています。今回は、その中でも頻繁に活用されている「ルームカード」「社員証カード」「会員証」といった分野について細かく説明していきます。

ルームカード

ホテルや宿泊施設における「ルームカード」は、お客様が滞在中に客室に入ったり、室内の電源を使用したりするときに用いられます。非接触ICカードを使用することで、従来の鍵に比べてセキュリティが向上し、同時に利便性も高まります。お客様は、カードをリーダーにかざすだけで素早く入室が可能となり、また、チェックインやチェックアウトの手続きもスムーズに行えるため、お客様側だけでなく、宿泊業者側にも大きなメリットがあると言えます。

社員証カード

企業内での「社員証カード」の利用は、勤怠管理や給与管理、福利厚生の仕組み化などに必要となってきます。そこで、非接触ICカードを用いることにより、従来の磁気ストライプやバーコードに比べて高いセキュリティで、尚且つ、同時に素早い認証処理ができるようになります。これによって、導入企業はセキュリティのリスクを軽減しつつ、効率的に人事管理を行うことが可能となります。

会員証

「会員証」は、フィットネスクラブや図書館、ショッピングモールなど、様々な会員制サービスで利用されています。非接触ICカードを会員証として採用することで、入退室管理やポイントカードとしての機能を一元化することが可能となります。会員は、カードをかざすだけで施設の利用や特典の受け取りができ、その利便性から会員満足度の向上にも繋がります。

以上のように、非接触ICカードは「ルームカード」「社員証カード」「会員証」といった様々な利用シーンで活用されています。上記に挙げた以外の利用シーンも豊富に存在するため、具体的にこう言うシーンで非接触ICカードを活用したいのだけどどうしたらいいのか分からないという方がいらっしゃいましたら是非ご連絡をお願いいたします。

 

非接触型と接触型の違い

非接触型と接触型の違いここまで具体的な非接触ICカードの利用シーンについて確認してきました。ここからは非接触型のICカードと接触型のICカードの違いについて確認していきます。

非接触ICカードと接触型ICカードは、それぞれ異なる技術を用いており、その特性や利用方法には大きな違いがあります。

通信方法の違い

非接触型ICカードは、カードとそれを読み取るリーダーとの間で無線通信を行います。一方、接触型ICカードは、カードとリーダーが直接接触することでデータのやり取りを行います。クレジットカードなどによく付いている金色のICチップとリーダーが直接接触することによって安定的な通信を行うことが可能です。とはいえ、非接触ICカードの無線通信も、技術力の向上により、利用時に不便を感じるといったことは非常に少なくなっています。日常生活でも、無線での通信を不便に感じられる方は少ないのではないでしょうか。

利用方法の違い

非接触型ICカードは、かざすだけで読み取りや書き込みが可能です。カードをリーダーに近づけるだけで情報をやり取りすることができるため、利便性がかなり高くなっています。一方、接触型ICカードは、カードをリーダーに挿入する必要があります。カードを挿入することでICチップとリーダーが接触し、データの送受信が行われます。

耐久性の違い

非接触型ICカードは、カード本体に物理的な接触がないため、カード自体の摩耗や損傷が少なく、耐久性が高いと言われています。一方、接触型ICカードは、カードとリーダーが直接接触するため、カードのICチップやリーダーのコンタクトに摩耗が生じることがあり、長期間の使用においては耐久性に影響を及ぼす可能性があります。

セキュリティの違い

非接触型ICカードは、カードとリーダーの間で無線通信を行うため、スキミングされることはありません。一方、接触型ICカードは、カードとリーダーが直接接触するため、カードから情報が抜き取られてしまうリスクが存在します。

以上のように、非接触型ICカードと接触型ICカードには、通信方式や利用方法、耐久性、セキュリティなどに大きな違いがあります。どちらのカードを選択するかは、利用目的や環境、セキュリティ要件などを考慮して、最善の選択をしていきましょう。

 

対応可能な印刷方式

対応可能な印刷方式非接触ICカードの制作においては、印刷方式の選択が重要となってきます。印刷方法によって、カードのデザインや耐久性などが変わってきます。ここでは、非接触ICカードに対応可能な印刷方式とその特徴について解説していきます。

オフセット印刷

オフセット印刷は、プラスチックカードに限らず多くの印刷物で非常に一般的な印刷方法の一つです。

非接触ICカードなどのプラスチックカードにおいては、大量生産でコストを抑えながらも、さまざまな色を使用したい場合に適しています。この方式では、カード表面に直接インクを転写するため、滑らかで均一な印刷が可能です。これから紹介するシルク印刷に比べて、耐久性は弱まるものの、比較的コストを抑えて作成できるため、大量に安く注文したいお客様に非常に適した手法となります。

シルク印刷

シルク印刷は、プラスチックカードとインクの間に穴の空いた版を挟み込み、ヘラでインクを伸ばしながらデザインを印刷していく方式です。シルク印刷は、オフセット印刷よりも、厚くインクを塗布することができるため、耐久性に優れており、鮮明な色合いで印刷することが可能です。版を作成する必要があるため、オフセット印刷に比べて、費用が高額になってしまうこともございます。

箔押し印刷

箔押し印刷は、非接触ICカードをより華やかで高級感のあるデザインにするために使用される方法です。この方式では、熱と圧力を利用して、金や銀、その他の色の箔をカード表面に転写します。箔押し印刷をすると、文字や模様が光沢を持って立体的に浮き出てくるため、カード全体に高級感が出てきます。特に、ロゴや重要な情報を目立たせたい場合に有効となる方式です。

以上のように、非接触ICカードには様々な印刷方式があります。シルク印刷、オフセット印刷、箔押し印刷など、それぞれの特徴を活かして、仕上がりの良いモノを作りましょう。

 

対応可能な加工オプション

対応可能な加工オプション非接触ICカードなどのプラスチックカードは、さまざまな加工オプションを利用して、機能性やデザイン性を向上させることができます。ここでは、非接触ICカードに対応可能な加工オプションについて詳しく解説します。

サインパネル

サインパネルは、プラスチックカードの表面に特殊なコーティングを施し、利用者がボールペンなどで署名をすることができるスペースのことを指します。サインパネルを作ることで、カードを署名が必要な身分証明書や会員証として利用する際に便利です。特に、クレジットカードや会員証などのカードには度々この加工方法が選択されています。また、サインパネルには書きやすい表面処理が施されており、滑りにくい素材で作られています。

テキスト印字

テキスト印字は、プラスチックカードに文字情報を印刷する加工方法のことを指します。カードの表面や裏面に、名前や会社名、有効期限などの情報を印字することが可能です。テキスト印字は、カードの目的や用途に応じてフォントやサイズを変更したり、印字色を選択したりでき、カードのデザインに合わせてカスタマイズ可能な仕様となっています。

バーコード印刷

バーコード印刷は、プラスチックカードにバーコードを印刷する加工方法です。バーコードは、商品の管理や識別、会員カードの管理などさまざまな目的で使用されます。基本的には、識別をするために利用されるため、それぞれのカードごとに異なるバーコードを印刷することが可能です。

QRコード印刷

QRコード印刷は、プラスチックカードにQRコードを印刷する加工方法です。QRコードは、スキャンすることで簡単に情報を取得できるため、広く利用されている加工方法となります。QRコード印刷を施すことで、関連する情報やWebサイトへのリンクなどに簡単にアクセスしてもらえるようになります。QRコードのサイズやデザインは自由にカスタマイズすることが可能です。

以上の加工オプションを組み合わせることで、非接触ICカードの機能性やデザイン性を向上させることができます。利用する目的や要件に応じて、最適な加工オプションを選択し、カスタマイズしていきましょう。

 

非接触ICカードのメリット

非接触ICカードのメリットここまで、非接触ICカードに、どのような加工ができて、どのような機能を持たせられるのかを確認してきました。ここからは、非接触ICカードを作成するメリットを解説していきます。

非接触ICカードには、利便性や安全性、デザインの自由度など、そのほかにも数多くのメリットが存在します。

利便性の高さ

非接触ICカードは、かざすだけで情報の読み書きが可能なため、カードを挿入する必要のある接触型ICカードに比べて、非常に高い利便性を誇ります。ケースやスマホに挟んだままでもリーダーで認識できるため、利用者にとってはスムーズで不便のない活用ができるかと思います。

セキュリティの高さ

非接触ICカードは、内部の情報ややり取りが暗号化されており、不正な読み取りから情報を保護することができます。冒頭でも触れましたが、カードの挿入を要する接触型ICカードには、スキミングの被害も存在するため、そのような被害のない非接触型ICカードはそのような面でもセキュリティ的に安全だと言えます。

多様な利用シーン

非接触ICカードは、公共交通機関や施設の入退室管理、会員証や社員証としての利用、そして電子マネーやポイントカードとしての決済など、幅広い分野で利用されています。お客様が解決したい課題も、非接触ICカードによって解決することができるかもしれません。

デザインの自由度が高い

非接触ICカードはプラスチック素材を使用するため、さまざまな手法での加工や印刷をすることができます。シルク印刷やオフセット印刷、箔押し印刷やそのほかの加工オプションを活用することで、作成社様オリジナルのカードを作成することが可能です。

耐久性がある

非接触ICカードは、耐久性が高いのも特徴です。基本的にプラスチックのカードは耐久性が高く、長期間の活用が可能です。また、接触型のカードよりも摩擦が少なく、長期的にご利用いただけるかと思います。ただし、印刷や加工方法によっても耐久性は変化してくるので注意が必要です。

以上のように、非接触ICカードはその利便性、セキュリティ性、デザインの自由度、耐久性など、多くのメリットを持っています。

 

非接触ICカードのデメリット

非接触ICカードは数多くのメリットが存在しますが、その導入・制作にはデメリットも存在します。ここでは、非接触ICカードの主なデメリットについて詳しく解説します。まず、大きなデメリットは、非接触ICカードに対応する機器を導入する必要があることです。

非接触ICカードを利用するためには、対応するリーダーや読み取り装置を導入する必要があります。特に、既存のシステムや機器が接触型ICカードにのみ対応している場合には、新たな機器の導入やシステムの改修が必要となります。これには、コストや時間、導入に伴う作業量の増加などの負荷がかかってきます。また、導入後は機器の保守や管理も必要となります。

そのほかにも、簡単なプラスチックカードと比較して、基本的な導入コストが高くなってきてしまいます。
導入する目的や予算などを考慮しながら、導入を進めていきましょう。

 

非接触ICカードに使用されるICチップの違い

非接触ICカードに使用されるICチップの違い非接触ICカードの作成において、ICチップの選定は非常に重要です。ICチップはカードの機能や性能を決定し、利用する目的や環境に合わせて適切なものを選ぶ必要があります。ここでは、主要なICチップであるフェリカ、マイフェア、アイコードの違いについて解説します。

フェリカ スタンダード / フェリカ ライトS

フェリカは、ソニーが開発した非接触ICカード用の技術であり、日本国内で広く利用されています。フェリカ スタンダードは、高いセキュリティ性能を維持しながら高速で通信することができ、大容量のデータを格納することもできます。Suicawaonカードにも活用されています。一方、フェリカ ライトSは、スタンダードに比べて容量が少なく、通信も暗号化されないためセキュリティ性能も劣るモデルです。しかしながら、省電力性に優れ、軽量なアプリケーション向けに最適化されています。

マイフェア / マイフェア ウルトラライト

マイフェアは、NXPセミコンダクターズ社が開発した非接触ICカードの規格であり、世界中で広く利用されています。上記のフェリカよりも圧倒的に安価で作成可能なため、広く普及しています。マイフェアは、高度なセキュリティ機能や多彩なアプリケーションに対応しており、企業や公共機関などで幅広く利用されています。マイフェア ウルトラライトは、容量が少なく、軽量なアプリケーションに特化した低コストのICチップです。

アイコード SLIX

アイコードは、フェリカやマイコードよりも通信距離が長く、工場や図書館などで活用されることが多い規格です。しかしながら、容量やセキュリティ性能は劣るため、カード作成の目的によって使い分ける必要があります。

 

非接触ICカードを導入する流れ

非接触ICカードを導入する流れここまで、非接触ICカードの技術的な側面や導入するメリット・デメリットを詳しく確認してきました。ここからは、具体的に導入する一連の流れを詳しく解説していきます。

目的の設定

まず初めに、非接触ICカードを導入する目的を明確に設定していきます。カードをどのように利用するのか、どのような機能やデザインが必要なのかを決め、その実現に向けて具体的なプランを立てていきましょう。たとえば、アクセス管理や出退勤管理、会員カードとしての利用など、目的に応じて異なる要件があります。

必要な情報の選定

次に、導入する非接触ICカードに必要な情報を選定します。例えば、カードに印字する個人情報や会社名、有効期限などカード制作会社に依頼するために必要な情報は多く存在します。また、ICチップに格納するデータや機能についても、必要性やその情報を取得するメリットを考える必要があります。

デザインの決定

非接触ICカードのデザインは、利用シーンに合わせて決めていく必要があります。券面の色やロゴ、フォント、レイアウトなどを、魅力的で使いやすいようにデザインしましょう。デザインは、カードを実際に利用する人の所有感や利便性に大きな影響を与えるため慎重に決めていきましょう。

印刷や加工の方法を選択する

デザインが決定したら、次に印刷や加工の方法を決めていきます。印刷方式や加工オプションなどを検討し、最初に立てた目的の達成のために最適な方法を採用しましょう。例えば、サインパネルやバーコードの印刷が必要かどうかや、高級感を出す印刷方式が要るのかどうかなどを考えていきましょう。

見積もり・納期確認

加工方法が決定したら、印刷会社や加工業者に見積もりを依頼し、費用や納期を確認します。複数の業者から見積もりを取り、サービス内容や価格を比較して最適な業者を選んでもいいかもしれません。余裕を持たせた納期を設定すれば、予期せぬトラブルにも対応できます。

印刷・受け取り

最後に、印刷や加工を行い、実際の非接触ICカードを受け取ります。印刷作業が完了したら、品質や仕上がりを確認し、受け取りとなります。必要に応じて、カードの動作確認やシステムとの連携テストなどを行い、導入作業を完了させます。

 

まとめ

まとめ本記事では、非接触ICカードの技術的な側面も含めた基本情報から、非接触型と接触型の違い、導入するメリット・デメリットなど網羅的に解説してきました。

非接触ICカードは、接触型ICカードと比較して、カードとリーダーの間で物理的な接触が不要なため、利便性やセキュリティ性能が高いという特徴があります。

さらに、さまざまな加工オプションや印刷方式によって、サインパネルやバーコード、QRコードなどの加工を施すことで、カードの機能性やデザイン性を向上させることができます。

非接触ICカードを作成予定の方や作成を検討してらっしゃる方の助けになれていれば幸いです。より詳細のお話であったり、具体的な価格や納期などのご相談についても随時受け付けておりますので、お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。

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